『Turning point』
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それから会社を休んで3日目の朝、私はようやく病院へ行った。


この歳になると、風邪もすぐには治りにくい。
熱が下がればまだいいのだけども、頭痛も高熱もおさまらないので、仕方なくタクシーで病院に来た。

どうやら今風邪が流行っているらしく、病院は満員御礼状態だった。
どのくらいかかるのか検討がつかなかったが、自分の診察時間までおとなしく待つことにした。

診察してもらえたのが11時過ぎ、そこから風邪と改めて診断され、高熱を下げるための即効性の注射を一本と
満足に食べていないということで点滴までされた。

結局病院を出たのが昼過ぎの14時。病院で半日が終わってしまった。


しかし、注射と点滴のおかげで、熱が少し下がったせいか体の痛みはなくなった。
頭痛も幾分マシになり、帰りにもらった薬であと数日あれば快復するだろう。



少し楽になった体で、コンビニへより、簡単に食べれるものを数日分買い込み、自分の部屋に戻ろうとすると
私の部屋のドアの前に人影を見つけた。


近づいてみると、その人影は私に近づき、聞き慣れた声で話しかけてきた。


「和美、もう体はいいの?」


「朋美・・・。 どうしてここに?」


「会社午後から休み取ったの。 和美のことが心配になってお見舞いに来たの。」


朋美は、私の質問に笑顔を向け、そう答えた。

逢ってはいけないけれど、逢いたかった朋美がそこにいた。



私は苦しくなったけど、嬉しさがこみ上げて、自然と笑顔を返していた。


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