『Turning point』
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熟睡したせいか、吐き気が治まっていた。このおかげで、何か口にすることはできそうだ。


コンビニで買ってきた、おかゆを電子レンジで暖める。

その間に、買ってきていたスポーツ飲料を飲む。冷蔵庫にいれなかったおかげで、常温だったけれど
冷えすぎていなかったから返って飲みやすかった。



暖まったお粥をたいらげ、頭痛薬を飲みベッドに戻ろうとしたとき、
投げ捨てたバックから携帯が飛び出していることに気づいた。

携帯を拾い上げ、なにげなく開けてみると、何度もの着信履歴と何通ものメールが入っていた。

見るまでもない気がしたけれど、確認してみるとやはり全て朋美からだった。

私の様子が尋常じゃない気がしたのだろう。心配している内容の留守電とメールが幾度も入っていた。


私はすぐに、ずっと寝ていたから返信が遅れたことを詫び、
明日は大事をとって休むことを書いて送信した。


一息ついて、もう一口水分を取ろうとすると、携帯メールの着信音が聞こえた。
朋美からの返信がもう来た。よほど心配だったんだろう。

メールを見ると、無理をしないでゆっくり休んで欲しいという事と、
明日会社帰りに寄るからと書いてあった。

私は、心配してくれる気持ちの感謝と、明日のお見舞いを丁重に断った返事を打った。
風邪を移してしまうと悪いし、ぐっすり寝たら随分良くなったからと大丈夫だと。


メールにはそう書いたけれど、私は朋美と会いたくなかった。


朋美への返信を終えると、私は携帯の電源を切った。
本当に大丈夫なのかと朋美が電話してくる気がしたから。


私は携帯をテーブルの上に置き、汗まみれになった体を洗い流す為にシャワーを浴びたくなった。

風邪を引いているときにシャワーに浴びることは良くないことかもしれなかったけれど、
熱いシャワーを浴びてスッキリしたかったから。

汗でじっとりしたベッドと布団の間に布団乾燥機をセットして、シャワーを浴びた。
頭がズキズキと痛んだが、心なしか、シャワーを浴びていると少し痛みが和らぐ気がした。

シャワーから上がり、髪の毛を乾かした後で、部屋に戻る。

もう一度水分をしっかり取って、布団乾燥機をおおざっぱにしまい、
ベッドがカラッとしたことを確認して、再び布団にもぐりこんだ。

薬がきいてきたのか、また眠りが訪れて来た。
いくらでも眠れそうで、本能のまま眠りに落ちた。


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