『Turning point』
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部屋に帰ると、心なしか部屋がとても寒く感じた。
どっと疲れが出た気がして、ベッドに横になる。


このベッドに半日前まで朋美が寝ていたことを思い出す。

胸が苦しくて、涙がこみ上げてくる。

もう耐えられなくなっていた。自分の気持ちを押さえ込む事に。

朋美のあの告白を聞いたことで、朋美に触れようとしてしまった自分の欲望に気づいたことで。



これから私はどうしたらいいのだろう。



朋美の事が好きだから、朋美の顔を見たくない。逢いたくない。

私はしばらく朋美に逢わなくてすむ方法はないかと考える。
どうすれば、どうすればいい。


好きだから、一番大切だから、側にいられない。


何もかも忘れてしまえたらいいのに。

ベッドに朋美が寝ていた残り香を感じてしまい、横になっていられなくなった。


毛布をつかみ取って、また今朝と同じく居間で毛布にくるまり丸くなって横になった。

私は私が情けなくて、哀れで、悲しかった。

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