『Turning point』
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ひとしきり朋美の寝顔を堪能したあと、新聞をドアに取りに行き、
冷蔵庫からミネラルウォータの瓶をとりだして、コップに注ぎ
新聞とコップを持って居間に戻る。


朋美が起きるまで新聞を読んでいた。
30分ほどしても、朋美はいっこうに起きる気配がない。


そうだ、昨日は風呂に入らず寝ていたんだっけ。
朋美が起きる前にシャワーを浴びることにした。

頭の重さがシャワーで取れるかな?と思い、少し熱めのシャワーを浴びた。
体に残っているワインの残骸を全て洗い流したかった。


シャワーを浴びている時、ふときになるものを見つけた。

左の鎖骨より15cmほど下に下がったところに、赤い痣みたいなものがあった。
内出血?と思ったけれど、別に痛みはない。虫さされ?と思ってみたけれど痒みもない。


一瞬脳裏に浮かんだのは、キスマーク?


それはあり得ない。

キスマークなんて付けたことも付けられたこともない。
実際に、キスマークというものを目にしたこともない。
だから、これがそれだという確証ももてない。


なんだろう、なんか湿疹みたいなものかな。
まっ、ぎりぎりだけど下着の内側に隠れる位置だからいっか。


その程度にしか思わず、そのままシャワーを浴びた。


シャワーから上がり、パジャマから薄手のトレーナーとGパンに履き替えた。

濡れた髪をタオルでごしごしと拭きながら台所に戻ると、朋美と目があった。

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