『Turning point』
<<TOPに戻る

私は夢を見た。



それは現実なのか夢の中の出来事なのか解らないくらいに全てがリアルな夢だった。
眠る前の続きのような、夢の中を漂っているのか区別がつかない。


悲しそうに私をのぞき込む朋美の顔が目の前にあった。


今にも泣いてしまいそうな、そんなとても悲しげな表情をしている朋美がいた。


私は片手を伸ばし、朋美の片頬に手をそえて、どうしてそんなに悲しそうなのかを聞いた。


朋美は何も言わずに、愛おしそうに私の手の上から自分の手を重ね合わせた。

私は何も言えずに、ただそれを見ていた。


スローモーションのように、朋美の顔が近づいてきて、私はそれを黙って見ていた。


そして、私たちは今日3度目の口づけを交わしていた。



それは1度目のキスよりも胸が痛く、2度目のキスよりも深く長く。

目を閉じることなくお互いに瞳を見つめ合いながら狂おしいほどの口づけを交わしていた。

とても甘く、そして痺れるような、心臓が破裂してしまうような、全身が口づけを感じていた。
何度となく求めた唇を離すと、朋美は私の腕の中に身をゆだねてきた。



『和美・・・。』



呼ばれた気がしたが、優しく朋美を抱きしめるとまた意識が遠のいていった。
そして、夢の中でさらに深い眠りについた。

次のページへ>>