『愛しきロクサーヌ』
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12月25日 13:00

「そろそろケーキ食べる?」

テレビを見ながら、のんびりしていたけれど、そろそろ小腹が空く時間だったので朋美に聞いた。

「うん、食べる!」

「飲み物は、珈琲と紅茶どっちがいい?」

「えっと、紅茶がいいかな。」

「ほい、了解! それじゃ、お茶入れてくるね。」

「ありがとう!」

お湯を沸かして、紅茶を淹れる。

炬燵の上に、昨日買ってきた、小さめのクリスマスケーキを出した。
朋美の前に、マグカップにいれた紅茶を置き、私は珈琲を入れたコップを自分の所においた。

「それじゃ、食べる前にプレゼント交換しよっ!」

「ほい、それじゃ、ちょっと待ってね。」

そう言って、私は一昨日買ったマフラーの包みを取り出した。

「はい、それじゃ、改めて、メリークリスマス♪」

そういって、包みを朋美に渡した。

朋美は、一瞬アレ?といった表情を浮かべていた。

「ん? 朋美どうかした?」

「うぅん、 なんでもないの。 私からのはこれ。」

「???」

何か解らないけれど、朋美の表情の違和感を感じた。
それでも、気のせいかと思い、朋美からのプレゼントを受け取った。

「開けていい?」

受け取った小さめの箱の中身が気になり、思わず子供みたいに聞いてしまう。

「それじゃ、一緒に開けよ。」

ガサガサ・・。

「こ、これって・・・。」

「あっ、暖かそう♪」

朋美からのプレゼントは、腕時計だった。
それも、とてもおしゃれで可愛い腕時計だった。

「朋美、こんな高価なものはダメだよ。」

「えぇ、そんなことないよ。 和美だって、これカシミアでしょ?」

「それはそうだけど。」

「多分、同じくらいだよ。 気にしないで。」

「う、うん・・・、 それじゃ、ありがとう。 早速使わせてもらうね。」

「使ってもらえると嬉しい。 私もこのマフラー早速使うね。」

こうして、プレゼント交換を終えた後、2人でケーキを食べた。
私はやはり、買った懐中時計を渡すことができなかった。

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