『愛しきロクサーヌ』
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12月25日 9:00

ぅぅん・・・・。 んー?

目が覚めると、部屋が随分と明るかった。
あぁ、もう朝なんだ。 今何時だろう・・・。

部屋の時計は、ちょうど9時を差している。

えっと、朋美は・・・、まだ寝ているかな。
そーっとベッドの朋美を見ると、まだぐっすりと眠っている。

朋美が寝ている間にシャワーを浴びることにした。

熱めのシャワーを浴びて頭をスッキリさせる。
さっぱりしながら風呂場を出て、とりあえず部屋着に着替える。

濡れた頭をタオルでごしごしと拭きながら、冷蔵庫を開けてミネラルウォータを
グラス一杯注ぎ、そのまま一気に飲み干した。

一気に目が覚め、自分が寝ていた布団を片づけようと居間に戻ると

「??? ?!?!っ」

なぜか私が寝ていた布団に朋美が寝ていた。

「朋美? 朋美???」

なんで朋美がここで寝ているの??

私は思わず寝ていることをかまわず朋美を揺すり起こした。

「ぅ、ぅん??」

「朋美、どーしてここで寝てるの。」

「ぅん? どうしてって・・・、いや一度起きたんだけど、和美シャワー浴びてたみたいで。」

「それで?」

「起きようと思ったんだけど、なんか寒くて。 そう思ったらここにまた布団があって、つい・・・。」

そう言いながら、また朋美が寝ようとして目を瞑ろうとする。

「ちょ、ちょ、ちょっとー!! 寝るならベッドで寝て!! こっちは布団上げて炬燵するんだから。」

「いいじゃん、別に・・・。」

「だーめ!! ほら、ほら、寝るならあっち!」

布団を剥ぎ、無理矢理朋美の体を引っ張って起こす。

「ぅーーーん・・・。」

私が引っ張った反動で、朋美の体のバランスが崩れてこっちに倒れ込んで来る。

「ちょ、ちょっと!! と、朋美!!!」

気が付くと、朋美に押し倒されているような格好になっている。
体に朋美の体重を感じてしまい、思わず心臓が口から飛び出しそうになる。

「和美の体あったかーい・・・。」

朋美はそういって、半分寝ぼけているのか、私の体に抱きついてきた。

「そ、そりゃ、風呂上がりだからでしょ。ってか、朋美!!!」

どうにか、朋美の体を起こそうと、両手で朋美の肩を押し返そうとすると、

「少しだけ・・・、少しだけこのままで・・・。」

とても小さな声が聞こえた。

それが、あまりに小さな弱々しい声で、思わず手を止めた。

「朋美?」

声を掛けると、朋美の小さな寝息が聞こえてきた。

あまりの弱々しい朋美の声が、何か助けを求めてきている気がして、
朋美の体を、ギュっと抱きしめた。

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