『愛しきロクサーヌ』
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12月24日 19:00

「それじゃ、乾杯しよっか!」

「うん、それじゃ、和美と一緒に過ごせるクリスマスに!」

「乾杯!」

奮発して買ったシャンパンを開けて、乾杯をした。
炬燵の上には、買い込んだオードブルやお寿司やら、サラダやら。
2人で食べきれるのか?っていうくらいに品物が並んでいた。

並べられている物を一つづつ頬張り、滅多に口にしないご馳走に舌鼓を打った。

「美味しいねぇ。 さすがに高いだけの事はあるねぇ。」

朋美は上機嫌で、シャンパンとオードブルをつまんでいた。
本当に美味しそうに食べる姿を見ていると、つい釣られてそれらをつまんでしまう。

シャンパンをあっという間に飲み干して、冷えた白ワインを開けた。

惰性でつけていたテレビを見ながら、心ゆくまで買った食材を堪能した。

「ううーん・・・、もう食べれない・・・。 た、食べ過ぎた・・・。」

ついつい食べ過ぎて、私は履いていたズボンのボタンをこっそり開けた。

「ほんと、食べ過ぎちゃった。 でも、本当に美味しかった♪」

朋美は笑顔でそう言いながらも、すでに白ワインも飲み干して、最後の赤ワインを堪能していた。

「朋美って、本当に良く飲むよねぇ。」

「そう? でも、今日はこれで辞めておくから大丈夫。」

「そりゃそうでしょ。 じゃないと帰れなくなるんだから。」

「ねぇねぇ、今日泊まっていってもいいでしょ?」

「はい? 泊まるつもりだったの??」

「うん、だって、夜ゆっくり過ごすつもりだったから。」

「だったら、最初に泊まるって言ってよ・・・。」

「あっ、和美の都合が悪かったなら、帰るからだいじょーぶだよ。」

普通、自分が好きな相手にこういわれて断れる人がいるんだろうか?
こういわれて断れないのを知ってるくせに。
ったく、朋美ってば、こういう所が結構計算高い・・・。

「いや、別にかまわないけど。」

「なら良かった♪」

途端に笑顔になり、上機嫌でワインを飲みだした。
まぁ、別に予定はないから良いといえばいいんだけど。

ただ、うちに泊まるのは、前のあの時(朋美が酔っぱらって過去を懺悔した時)以来だから
私の中で変に意識しなければいいのだけど。 それだけが少し気になった。


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