『愛しきロクサーヌ』 |
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12月23日 15:00 部屋の片づけは一通り終わり、ベッドに横になりながら、明日の事を考えていた。 明日、何のビデオを借りてくればいいのだろう。 こってこての恋愛物を借りると、その後、変に朋美の事を意識しちゃいそうだし。 かといって、今特に見たいビデオもないし。 そもそも、私が普段見ている映画とかって、少しマニアックな古い年代の物が多いし。 朋美がそれを見るとは思えないし。 困ったなぁ。 今のうちに、レンタルビデオに行って、先にどんなのがあるのかを見ておいた方がいいかな。 明日のことで頭がすっかり一杯になって、レンタルビデオショップに行って、 最近出たビデオでおもしろそうな物がないかを先に調べておくことにした。 別にここまでしなくてもいいかとも思ったけれど、せっかく朋美と一緒に過ごせるのだから つまらないビデオを見る事にはしたくなかったから。 レンタルビデオショップに行くと、店の中はクリスマス一色だった。 クリスマス特集といわんばかりのクリスマスにちなんだお勧めコーナーがあったり、 恋人同士で過ごす為のビデオなんてお勧めものまである。 まぁ、定番といえば、やっぱりラブストーリー物。 といっても、あまり定番ってのは好みじゃなくて。 何かいいものがないかなぁーと見回ってみるものの、あまりピンと来ない。 うろうろしていると、ふと目に飛び込んできたビデオがあった。 『シラノド・ベルジュラック』 ふとクリスマスのプレゼントに買った懐中時計の事を思い出す。 勢いで買ってしまったものの、はたしてあれを朋美に渡してもいいんだろうか・・・。 そんな不安がこみ上げてくる。 自分の気持ちを込めすぎてしまったような気がしてしまう。 そんな深い意味を持たない、もっと気軽な物を買えば良かった・・・。 今になってそんな事を考えてしまった。 今から買いに行こう。 ビデオショップを飛び出して、私は明日朋美に渡すクリスマスプレゼントを買い直しに出かけた。 その後いろいろ店を回って、結局カシミアのマフラーを買った。 家に帰ったのは20時過ぎになってしまった。 急いでいろんな店を回ったので、どっと疲れが出て、その日はそのまま寝てしまった。 |
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