『めぐり逢えたら -朋美Side-』
<<TOPに戻る

自分から重ねた唇、直後に、和美の唇が力強く重ねられる。

和美に何があったのか解らない。
でも、自分を求めてくれている。
今は、それに応えるだけでいいと思った。

深く唇を交わし合う。
今度は、自分からもそれに応える。

自分から唇を開き、和美の舌を迎入れる。

頭の中が痺れる。
息が止まってもかまわない。

このまま、心臓が止まってしまえば、私は、和美の腕の中で息絶えられる。

長い口づけを交わした後、離れた和美の唇から、吐息が鼻先にかかる。

もうどうなっても良かった。

和美の背中を力の限り強く抱きしめる。

離れた唇が、そっと私の首筋へなぞるように滑り込み、首筋を軽く吸われた時、
我慢できずに、小さく声を上げる。

「はぁ・・・、か、和美・・・。」

首筋を往復する唇を感じていると、そっと和美の手が、私のブラウスのボタンを静かに外す。
上から、3つ外され、ゆっくりと襟をひらかれた事に気付いた時、唇は鎖骨の上を滑っていた。

「あぁぁ・・・、ぅぅんっ・・・。」

和美の髪を両手で梳きながら、体の奥から沸き上がる熱に意識も体も全て委ねる。

優しく体を触れられるだけで、体がとろけてしまうほどの愛撫だった。
唇が触れられるだけで、体中の血が沸騰する。

「ぁぁっ・・・、和美・・・・。」

「朋美・・・、朋美・・・。」

名前を呼ばれるだけで、背筋が痺れる。



身につけているものを全て外し、素肌で和美の体を感じる。
感じる柔らかい曲線、体中に感じる、和美の唇。

体の中心に愛撫を感じた時、意識が霞んでいった。

体中に和美を感じ、
和美に抱かれて、和美によって意識が飛ぶ。

これまでにない最高の幸せを感じた一瞬だった。




ほんの少し、意識を失っていた。
気が付いたら毛布が掛けられている。

和美は?

身じろぎして、周りを確認しようとした時、
体を何か暖かいもので包まれている事に気が付いた。

「大丈夫?」

左から聞こえてkた声に驚いて、顔を向けると、和美の口元が目に入った。

「えっ?」

今の状態を確認してみると、何も纏っていない素肌のままで、
体全体を、和美に抱きしめられ、頭を胸元に抱かれていた。

「あっ、わ、わたし・・・。」

「何も言わないで・・・。 お願い、今日だけ、このままいさせて・・・。」

縋るような和美の声に、何も言えなかった。
きっと、明日ちゃんと話しをしてくれる。

私はそのままもう一度和美の胸元に頭を寄せて、眠りについた。
それは暖かく、優しく、とても心地よい眠りだった。


次のページへ>>