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『めぐり逢えたら -最終部-』 |
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【朋美Side35】 和美に抱きしめられ、和美に捕らえられ、甘く激しいキスを浴びる。 息が苦しいほどの熱く深いキス。 あの夜、初めて和美に抱かれた日の口づけのようだった。 息苦しく、呼吸を合間合間に入れても、キスは終わることがなかった。 何度も、何度も、長い時間、和美に唇を奪われていた。 長い長い時間、交わしていた唇が、やっと離れた時、 ベッドに横座りする形で、私の上から、和美は見下ろしていた。 「和美・・・。」 微かな声で、和美の名前を呼ぶ。 穏やかな顔で、和美は微笑み、指で、私の前髪を優しく梳く。 「どうして?」 「朋美、ごめん、黙っていた事があるの。」 「なに?」 「私、見合いをして、結婚を決めたのだけど、その後破談になった。」 「えっ??」 和美の結婚が破談になった?? どういうこと?? 「あのね、見合いをした時すでに、相手には想う相手がいたの。 それでもいいと思った。 私も、朋美の事忘れられなかったから。 それで、同じ想いをしてる人だったから、結婚してもいいと思ったの。」 「じゃぁ、どうして??」 「相手の恋人が妊娠しちゃったの。」 そう言うと、優しい微笑みから、可愛らしい笑顔になった。 「だから、相手は結婚を反対していた両親を説得して、念願の想う相手と結婚することになったの。」 「それじゃ、それなら、どうして言ってくれなかったの??」 「結婚すると言ったら、朋美が私の事を諦めてくれると思ったから。」 「えっ??」 「自惚れていたの。 朋美はそうでもしないと、私の事を忘れてくれないんじゃないかって。」 「か、和美!! 酷いよ、どうして、どうしてそんな事を??」 「私も、朋美の事が好きだったから。 うぅん、朋美が私の事を想う以上に、私は朋美の事を想っていたから。」 「それなら、それならどうして、あの日、私の部屋に来てくれた時、帰ってしまったの?」 「ごめん。 ごめんね。 あの日、朋美が私を好きだって言ってくれて、 本当は・・・、本当に嬉しかったの。 私と同じ気持ちなんだって知って。」 「それなら、どうして!!」 「私は、自分の人生に、朋美を巻き込むのが怖かったの。 だから、離れたの。 朋美には、私よりも、もっといい人と、もっと幸せになれると思って。」 「和美・・・。」 「ごめんね、遅くなって。 今日ね、朋美が入院したって聞いて、やっと自分の気持ちに正直になることにしたの。 ごめんね、本当に、遅くなって、ごめんなさい・・・。」 和美は、そう言うと、私の胸に頭を擦り寄せて泣いた。 嬉しかった。 本当に、心の底から嬉しかった。 和美が、ずっと、いままでずっと、私の事を想い続けてくれていた。 そして、今自分を好きだと言ってくれた。 愛してると囁いてくれた。 胸の上の和美を両腕で抱きしめて、私も泣いた。 冷たく苦しい涙ではない。 嬉しく温かい、喜びの涙が止まらなかった。 お互いの想いが叶い、これ以上の幸せは無かった。 そして、それから私たちは・・・。 |
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