『めぐり逢えたら -最終部-』
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【朋美Side13】

「うぅっ・・・・、うぅぅ・・・・っ」

涙が次から次へと溢れ、止まらない。
両手で顔を覆いながら、指の隙間から、涙がこぼれ出る。

「朋美・・・。」

髪を優しく梳かれる。
背を向けている私の髪を、ベッドに腰掛けている滝川さんが静かに梳いてくれて、
背中を優しくさすっている。

滝川さんが触れるその手が、今はとても優しく感じた。

泣き疲れ、優しく撫でられる手の暖かさが心地よく、知らない間に意識が遠のいていった。



気が付くと、部屋の電気が消えていて、部屋の中が薄暗かった。

ここは??

目が痛い。
泣き腫らしてまた目が腫れていることが解る。

目を擦ろうと手を動かすと、体に温かくて柔らかいものを感じる。

ん??

ガバッと体を起こすと、ベッドの隣りに何かがある・・・。

滝川さん???

突然の状況に驚いて、思い切り起きあがる。 

「んっ・・・、うぅぅん??」

がばっと起きあがった反動で、滝川さんが身じろぎする。

えっ?? えぇぇ???

一体、これは、どういう事???

頭の中が混乱して、起きあがって壁によりかかっていると滝川さんが目を覚ました。

「んぅぅん・・・、朋美?? 目が覚めたの??」

どうして、滝川さんがここにいるのだろう?
どうして、ベッドの隣りで寝ているのだろう??

状態が理解できず、頭の中が混乱している。

「あっ、あの・・・、えっ、あっ・・・、あの・・・・」

「大丈夫よ、何もしてないから。
 あなたが、泣きながら意識を失うように寝てしまったから、心配で、様子をみていたの。
 そのうち、私も眠くなっちゃって、ベッドにお邪魔させてもらっただけ。」

「そ、そうだったんですか・・・、はぁ〜・・・。」

安心して思わず、息を突いた。
ほっとしていると、突然手を引っ張られ、強引にベッドに寝かされ、滝川さんに抱きしめられた。

「まだ早いわ・・・、何もしないから、もう少し寝なさい・・・。」

身じろぎしたけれど、抱きしめられた感触が温かくて、安心して、引き込まれるように眠りについた。

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