『Cross roads』
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目が覚めた。
一体今は何時なのだろう・・・。 起きあがって薄暗闇の中、ベッドサイドにおいてある目覚まし時計を見る。

4:30

ふとベッドにいつもいるはずの和美の姿がないことに気付く。
夢ではなかった気がするけれど、私は和美に強引にキスしたことを思い出した。

もしかして、嫌われてしまった?

背中が一瞬にして凍り付く。

部屋を見渡すと、部屋の隅に、毛布の固まりらしきものが見える。
和美が、居間の隅に毛布をかぶりながら寝ていた。

どうして・・・。

和美がどうして今日に限ってこんなところに寝ているのか解らない。

私に呆れてしまったの? 無理矢理キスしたから怖くなったの? 私の事を嫌いになったの?

私は不安におそわれ、寝ている和美に覆い被さるようにして、和美の寝顔をのぞき込んだ。
涙がこぼれそうになった時、和美がうっすらと目を開けて私の顔を見つめていた。

「どうしたの朋美・・・。 どうしてそんな悲しそうな顔をしているの?」

左手で、私の頬に優しく触れながら、掠れた声で和美はそう呟いた。

お願い、私を嫌わないで・・・。

触れられた頬の手に自分の手を重ねながら願いを込める。
和美は優しい瞳で私を見つめている。 嫌ってない? 嫌われてないよね?

私はゆっくりと和美に顔を近づける。
和美は顔を背けることなく、静かに私を受け入れてくれる。

私は1度めよりも深く熱いキスをした。

目を閉じることなく、私は和美の瞳をじっと見つめながら、和美の唇を感じていた。
和美は、私の頬を両手で覆い、私の顔を強く引き寄せて更に唇を深く重ねてくる。

和美・・・、和美・・・。

私の頭の中は真っ白になり、意識が飛んでしまいそうだった。
長い長いキスを終え、唇を離した私の顔を和美はじっと見つめている。
私はその視線に耐えられず、和美の体に身を委ねた。

『和美・・・。』

私が小さく呟くと、和美は私を強く抱きしめてくれた。
和美の左胸に頭を載せると、規則正しい鼓動が聞こえる。
顔を上げると、和美は眠りについていた。

いまの激しいキスは、和美自身も応えてくれた。

目覚めた時、今のキスは夢だと思ったからなんて、言ってほしくない。

私は今のキスを夢だと思って欲しくなかった。 だから証拠を残したかった。
ふと見ると、和美のパジャマのボタンが外れ、左胸が少しのぞいている。

まだワインの酔いが残っていたのかもしれない。 そのせいか、私はより大胆な行動を取る。
吸い寄せられるように、和美の左胸の上の方に唇を寄せる。
柔らかい肌を強めに吸い込み、赤い花びらのような痕を白い肌の上に残した。

私を包んでいる和美の手を静かにはずし、和美の外れていたパジャマのボタンを留めて、私はベッドに戻った。

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