『 初恋 』
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−おまけ−


「裕美、何ぼーっと読んでるの?」

「あぁ、中学生の時の日記が出てきたから、読み老けちゃった。」

「中学校の時の日記? ずいぶんと昔の物を大事に持っているんだねぇ。」

「昔の日記って、なかなか捨てられなくて。 読むと結構おもしろいんだもん。
 私なりにいろいろ考えたんだなぁーとか、ませていたなぁーとか。」

「中学時代ねぇ、もう何年前になるのかしら。」

「えぇーっと、もう20年くらい前かな。」

「うわぁ、20年前って、あまり思い出したくないねぇ。」

「そんなこと言ったって、お互いもういい歳なんだからしょうがないじゃん。」

私と香織は思わず笑って昔の事を懐かしみ、お互いに歳を取ったことを口にした。



「そっか、あれからもう20年になるんだぁ。 早いねぇ。」


香織はしみじみとそういうと、背中の上から覆い被さってきて私の頬に顔を寄せてきた。


「あの日から20年・・・。 裕美に会えて良かった。」


耳元でそう囁く声は、昔、剣道の指導時に初めて耳にした香織の声を思い出させる。


「私も・・・、私も先輩に、、、あなたに出会えて良かった。」


あの時、言えなかった気持ちと、今あなたが側にいてくれる事に心から感謝の気持ちを込めて、
香織の唇にそっと自分の唇を重ねた。




=あとがき=

学生ネタを書いてみました。
あぁ、なんでこんな結末?なんてつっこまないでくださいね。(逃)
この結末には本文内でも、少し含ませているんですが、わかりづらーい。はっはっは。←おいっ
希望があれば、この『初恋:西原Side』を書きますが、あくまでもご希望があればってことで。